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In Extremis series
Medium
Photograph
Digital
人間が肉体の死を迎えると、魂は呼吸とともに肉体から離れていくという説がある。
これは、ある人が肉体の死を迎える瞬間を、手を握りながら目の当たりにした時の話だ。
肉体はまだ暖かい。
心臓のペースメーカーは波を示している。
しかし、時間の経過とともにその波と波の間隔は徐々に広がっていく。
次の波を待つように、そして追いかけるように、ペースメーカーと肉体を交互に見つめる。
波が来ない。
もう波が来てもいい頃だ。
ようやく遅れてきた波は、安心感を与えることもなく、ただ次の波を願わせるだけだった。
肉体はまだ暖かい。
その小さな波をしばらく見つめていると、肉体は少しだけ口を大きく開けた。
最小限の音を立てて深呼吸をし、息を吸い尽くした後、ある「間」がすべてを包み込んだ。
しかし、その後に続くはずだった波は、もう二度と現れなかった。
肉体は次第に温度を下げ、硬直していく。
物質が死を迎える直前に対峙する「虚無」と「美」。
この感覚は、視覚表現の道具であるカメラやカードリーダー、コンピューターにも共通するものだと思う。
彼らもまた物質として「生きている」。
この作品シリーズは、カメラや転送機器、コンピューターが息絶える直前に現れる"エラー/美"を捉えたものである。


















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