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Trimming series
Medium
Photograph
Digital
どの時代においても、写真撮影はファインダーを覗き、シャッターを切るというプロセスが主流だった。
しかし、カメラの進化と写真の発展が互いに支え合う中で、ビデオカムコーダーが登場し、ファインダーを覗かずに撮影する新しい技法が加わったと考えている。
これにより、肉眼で見る現実とファインダー越しの世界が、同じ視界に共存することが可能となった。
私は普段、映像を撮影する機会が多いが、ファインダーを覗くのではなくモニターを見て撮影を行う。
この方法は私にとって非常に魅力的であり、感覚を研ぎ澄ませることができる手法だ。
カムコーダーで撮影する際、私は「切り取る」という感覚を強く得る。
常にスクリーンには、自分の視点とは異なる世界が存在し、その並行世界が自らの手で掬い上げられ、美しい瞬間を創り出す。
特に、小型のカムコーダーを使用することで場所を選ばず、その空間に存在する並行世界を垣間見ることができる点が、このプロジェクトの魅力の一つだ。
新しいテクノロジーを搭載したカムコーダーではないため、収められた写真には独特の緊張感があり、フィルムとは異なる絵画的な荒れが特徴となっている。
さらに写真紙に印刷すると、荒れの質感が立体的に浮かび上がり、その粗さがかえって美しさを際立たせる。
私は、「存在」とは、誰かが何かを認識した時に初めて成立すると考えている。
視界に映る現実世界と、ビデオカムコーダーのスクリーン越しに映し出される世界。
私がその二つの世界を認識することで、それらは同時に存在するのだ。
カムコーダーが映し出す光景や存在、そして空間の色味や質感は、肉眼で見える世界とは異なる。
その差異には、写っている人や物の本質が見え隠れし、自分にしか聞こえない声を聞くような感覚が伴う。
現実を「切り取った」、見ているようで見えていない世界を通し、私の「0.5」の視点で捉えた本質をオーディエンスと共有する。
そして、このシリーズ作品を通じて、「私たちは今、どこに存在しているのか」を考えるきっかけを与えることを目的としている。



































































